二十四節気/七十二候とは
太陽の目盛りである二十四節気の基本は、冬至と夏至の二至(にし)、その中間の春分と秋分の二分(にぶん)で、四つに分かれます。その中間点が立春、立夏、立秋、立冬で、各季節の始まりになります。それぞれ三分割すると二十四の節気となり、約十五日ごとの農耕の目安になっています。
七十二候はこの二十四節気をさらに三分割し、約五日毎の特徴的な気象や、こまやかな動植物の変化を示したものです。七十二候の成立は中国の黄河流域の紀元前770年頃にその源流をたどることができます。二十四節気はほぼ変更されることなく、今日まで継承されていますが、七十二候は日本の気候風土に合わせて、何度か変更されてきました。
立冬/小雪
二十四節気「立冬(りっとう)」
冬の気立ち初めていよいよ冷ゆれば也(暦便覧)
この日から立春の前日までが冬。初冬は時雨(しぐれ)の季節。しとしとと静かに降る雨が紅葉を鮮やかに染める。冷えこみは増していくが、ぽかぽかと春のように穏やかな陽気の日もあり、季節外れの花が咲く「帰り花」も見られる頃。数日続く曇りや雨のぐずついた天気を「山茶花梅雨」と呼ぶ。山茶花は虫媒花で、まだ虫がいる初冬に咲く。
日付 |
七十二候 |
コラム |
11月7日〜11日頃 |
第五十五候 山茶始開 つばきはじめてひらく |
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11月12日~16日頃 |
第五十六候 地始凍 ちはじめてこおる |
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11月17日~21日頃 |
第五十七候 金盞香 きんせんかさく |
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二十四節気「小雪(しょうせつ)」
冷ゆるが故に雨も雪となりてくだるがゆへ也(暦便覧)
紅葉のピークを過ぎ、冷たい木枯らしが吹き始め、木の葉が舞い始める頃。山では雪が降り始め、山の頂には白い粉をかけたような冠雪が見られる。朔風(さくふう)は北風のこと。色とりどりの木の葉が吹き寄せられる様子を「吹き寄せ」「富貴寄せ」ともいいます。足元が美しい季節。茶の湯では炉を開き、新しい茶壺の口を切る「口切り」の季節。
日付 |
七十二候 |
コラム |
11月22日〜26日頃 |
第五十八候 虹蔵不見 にじかくれてみえず |
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11月27日~12月1日頃 |
第五十九候 朔風払葉 きたかぜこのはをはらう |
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12月2日~12月6日頃 |
第六十候 橘始黄 たちばなはじめてきばむ |
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大雪/冬至
二十四節気「大雪(たいせつ)」
雪いよいよ降り重ねる折からなれば也(暦便覧)
ますます陽射しが弱まり、山の雪が溶けずに積もり始めて、本格的な冬を迎えます。この頃に熊などの森の動物は冬眠に入ります。花や緑の少ない冬枯れの季節ですが、北から飛来した渡り鳥たちが水辺の景色を彩ります。時雨月(しぐれづき)。紅葉のピークを迎え、山々が美しく彩られるころ。立冬は11月7日。木の葉がハラハラと舞い落ち、虫やカエルたちが冬ごもりする冬の始まり。新そば、落花生、あずきの季節。比較的穏やかな天候が続き、小春日和と呼ぶのはこの頃。その暖かさに誘われて、季節外れの花がぽつんと咲く「帰り花」も愛らしい。
日付 |
七十二候 |
コラム |
12月7日〜11日頃 |
第六十一候 閉塞成冬 そらさむくふゆとなる |
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12月12日~15日頃 |
第六十二候 熊蟄穴 くまあなにこもる |
🗒️ |
12月16日~20日頃 |
第六十三候 鱖魚群 さけのうおむらがる |
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二十四節気「冬至(とうじ)」
日南の限りを行て日の短きの至りなれば也(暦便覧)
12月22日頃。一年でもっとも昼が短い日。陰極まって陽に転ず。実際の寒気は増していきますが、弱まっていた太陽の力がこの日を境に少しずつ増していくことから、一陽来復ともいいます。
丸くて黄色い柚子は太陽の依代。その力にあやかって、柚子湯の風習がある。シリウスは江戸時代、天狼(てんろう)、青星などと呼ばれ、冬の季語になっています。寒月、星空が美しい。
日付 |
七十二候 |
コラム |
12月21日〜25日頃 |
第六十四候 乃東生 なつかれくさしょうず |
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12月26日~30日頃 |
第六十五候 麋角解 さわしかのつのおつる |
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12月31日~1月4日頃 |
第六十六候 雪下出麦 ゆきわたりてむぎのびる |
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小寒/大寒
二十四節気「小寒(しょうかん)」
冬至より一陽起るが故に陰気に逆らう故益々冷る也(暦便覧)
この日から寒の入り、新暦正月の初詣を終えた頃に、本格的な寒さがやってきます。この日から節分までの約30日間が「寒の内」になります。
「小寒の氷、大寒に解く」という故事もあるように、年間でもっとも寒く感じられる日もあります。寒月はさらに冷えて、凍て月に。和暦では師走で、別名、春待月(はるまちづき)ともいいます。
日付 |
七十二候 |
コラム |
1月5日〜9日頃 |
第六十七候 芹乃栄 せりすなわちさかう |
🗒️ |
1月10日~14日頃 |
第六十八候 水泉動 しみずあたたかをふくむ |
🗒️ |
1月15日~19日頃 |
第六十九候 雉始雊 きじはじめてなく |
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二十四節気「大寒(だいかん)」
冷ゆることの至りて甚だしきときなれば也(暦便覧)
冬の最後の節気です。大地に霜柱が立ち、凍てつくような厳しい寒さが続きますが、木々の芽は膨らみ始め、ゆっくりと春に向かい始めているのを感じることができます。
最終日が、一年の節目とされる節分です。臘梅の花が青い空に清々しい香りを放っています。水が澄み、音が澄み、人の感覚ももっとも研ぎ澄まされるとき。冬芽のように中心軸を確かめ、心を澄ませて。
日付 |
七十二候 |
コラム |
1月20日〜24日頃 |
第七十候 款冬華 ふきのはなさく |
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1月25日~29日頃 |
第七十一候 水沢腹堅 さわみずこおりつめる |
🗒️ |
1月30日~2月3日頃 |
第七十二候 鶏始乳 にわとりはじめてとやにつく |
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