二十四節気/七十二候とは
太陽の目盛りである二十四節気の基本は、冬至と夏至の二至(にし)、その中間の春分と秋分の二分(にぶん)で、四つに分かれます。その中間点が立春、立夏、立秋、立冬で、各季節の始まりになります。それぞれ三分割すると二十四の節気となり、約十五日ごとの農耕の目安になっています。
七十二候はこの二十四節気をさらに三分割し、約五日毎の特徴的な気象や、こまやかな動植物の変化を示したものです。七十二候の成立は中国の黄河流域の紀元前770年頃にその源流をたどることができます。二十四節気はほぼ変更されることなく、今日まで継承されていますが、七十二候は日本の気候風土に合わせて、何度か変更されてきました。
立夏/小満
立夏(りっか)
夏の立つがゆへ也(暦便覧)
この日から立秋の前日までが夏。ゴールデンウイーク中は汗ばむような暑気を感じ、半袖が必要になることが多い。衣替えの季節。若葉、青葉がいちばんの目のごちそう。真っ白な卯の花を始め、白い花が多くなるのが初夏のしるし。季語の「一声(いっせい」は夏の訪れを告げるホトトギスのさえずり。他にもさまざまな夏鳥がやってきます。5月10日〜16日は愛鳥週間。卯月の別名は鳥来月(とりくづき)。
日付 |
七十二候 |
コラム |
5月5日〜9日頃 |
第十九候 蛙始鳴 かわずはじめてなく |
🗒️ |
5月10日~14日頃 |
第二十候 蚯蚓出 みみずいずる |
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5月15日~20日頃 |
第二十一候 竹笋生 たけのこしょうず |
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小満(しょうまん)
万物盈満(えいまん)すれば草木枝葉繁る(暦便覧)
万物の気がいよいよ満ちて、草木が勢いよく生い茂る季節。木々の若葉が日ごとに盛り上がるように伸びて、ザワザワと葉ずれの音が鳴り始めます。田んぼのしろかきなど、田植えの準備が始まり、水を張った田には早速、カエルたちがやってきて、卵を生みます。薔薇の花が満開を迎える美しい季節。薔薇の古名は長春花(ちょうしゅんか)。
日付 |
七十二候 |
コラム |
5月21日〜25日頃 |
第二十二候 蚕起食桑 かいこおきてくわをはむ |
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5月26日~30日頃 |
第二十三候 紅花栄 べにばなさかう |
🗒️ |
5月31日~6月4日頃 |
第二十四候 麦秋至 むぎのときいたる |
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芒種/夏至
芒種(ぼうしゅ)
芒(のぎ)ある穀類、稼種する時也(暦便覧)
近年は田植えの時期が早まっていますが、本来は田植えの時期にあたります。そして秋に蒔いた麦は稲とは逆で、ちょうど収穫期を迎えます。芒種から5日後の6月11日頃から約30日間が、日本の雨期です。梅の実が黄ばむ時期に重なることから、梅雨と呼ばれています。田植え後に降る雨は苗の成長には欠かせない雨なので、甘雨、慈雨、瑞雨(ずいう)ともいいます。
日付 |
七十二候 |
コラム |
6月5日〜9日頃 |
第二十五候 蟷螂生 かまきりしょうず |
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6月10日~15日頃 |
第二十六候 腐草為螢 くされたるくさほたるとなる |
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6月16日~20日頃 |
第二十七候 梅子黄 うめのみきばむ |
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二十四節気「夏至(げし)」
陽熱至極しまた、日の長きのいたりなるを以て也(暦便覧)
一年でもっとも昼が長くなるときですが、日本では梅雨の真っ最中に夏至を迎えるため、あまり実感はありません。適度に降る雨のおかげで田んぼの苗がよく育つときです。夏至から十日後に設定されている雑節、半夏生(はんげしょう)が田植えを終えるめやすとされてきました。梅雨の末期は豪雨になることが多いため、半夏雨、半夏水といって恐れられてきました。
日付 |
七十二候 |
コラム |
6月21日〜25日頃 |
第二十八候 乃東枯 なつかれくさかるる |
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6月26日~30日頃 |
第二十九候 菖蒲華 あやめはなさく |
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7月1日~7月6日頃 |
第三十候 半夏生 はんげしょうず |
🗒️ |

小暑/大暑
二十四節気「小暑(しょうしょ)」
大暑来れる前なれば也(暦便覧)
この日から立夏の前日までが春。立春は寒さの峠越え。一瞬の緩みを感じて、梅がほころびます。「ほころぶ」という言葉は隠れていたものが突然、外に顕れることをさす言葉なので、突然、鳴いた鳥のさえずりも「ほころぶ」といいます。「笑顔」もまさに内側にあるものが、思わず外にこぼれること。梅を見て思わずにっこりしてしまったこと、ありませんか? 花、鳥、それぞれに春の訪れがあります。
日付 |
七十二候 |
コラム |
7月7日〜11日頃 |
第三十一候 温風至 あつかぜいたる |
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7月12日~16日頃 |
第三十二候 蓮始開 はすはじめてひらく |
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7月17日~21日頃 |
第三十三候 鷹乃学習 たかすなわちわざをならう |
🗒️ |

二十四節気「大暑(たいしょ)」
暑気いたりつまりたるゆえんなれば也(暦便覧)
一年でもっとも厳しい暑さが続く頃。日盛りの炎天のあと時折、激しい大雨が降って、夏枯れの大地を潤します。雷を伴う雨となり、夕涼みが楽しめる季節。昔の人は川沿いを歩き、川から吹く冷風で、涼みました。夏の最後の節気で、鰻や蜆を食べて滋養をつける土用の時期でもあります。強い日差しは「土用照り」とも言われ、稲を大きく成長させます。
日付 |
七十二候 |
コラム |
7月22日〜27日頃 |
第三十四候 桐始結花 きりはじめてはなをむすぶ |
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7月28日~8月1日頃 |
第三十五候 土潤溽暑 つちうるおうてむしあつし |
🗒️ |
8月2日~8月6日頃 |
第三十六候 大雨時行 たいうときどきふる |
🗒️ |
