
季節と暮らす
梅の品種は300種に及びます。あまりに多いため見分けがつかないため、おおまかに梅と総称されますが、梅は種類によって咲く時期もさまざまです。
素人が見分けるのはなかなか難しいのですが、それぞれに名前があります。月世界、月影、月宮殿、月の桂、酔月、滄溟の月など、月に関係する名前もたくさん存在します。
これは「月と梅」を詠んだ和歌が多かったことが関係しています。月がつく名前の梅はごく一部、うすいピンクもありますが、大方は白梅です。
鶯宿は梅に鶯から。見て驚くと書いて、見驚(けんきょう)。あけぼの色の曙枝垂、濃い赤の紅千鳥、冬至紅、鹿児島紅、紅牡丹、大輪の蓮久(れんきゅう)、
バラのように豪華な浮牡丹、春日野、八重寒紅、大盃、白加賀など。私が好きなのは、道知辺(みちしるべ)という命名です。
満開の梅は遠くからもよくみえますよね。誰かに道を教えるとき、「梅が咲いているあの角を曲がって」などと説明できるのも、この時節ならではの僥倖です。
写真はすべて私が撮ったものです。バラエティに富んだ美しい梅の世界をたっぷりご覧ください。